「完全失踪マニュアル」から学んだこと(その2)

kanzensissou

1994年発行の「完全失踪マニュアル」から学んだこと(その1)」からの続き。
備忘録的にメモしていたら、意外と分量が多かったので2つに分けた。

他人になりすまして生活するには

数年単位で失踪するには、本名で生活し続けるのはリスキー。
そこで、誰かになりすまして生活することが求められるのだが、具体的にどうすればいいのか。

まずは、誰になりすますかを決める。
そのポイントは以下のとおり。

1.性別が同じ
2.同じぐらいの年齢に見える
3.氏名、生年月日、現住所、電話番号が入手できる
4.社会健康保険ではなく国民健康保険を利用している
5.一人暮らしをしている
6.運転免許証をもっていない
7.自分の顔を知られてない

ターゲットを決めたら、まずは印鑑を作る。
通常、三文判でOK。

続いて、移転先の住所を決め、役所へ行って移転させる。
移転先は行政管轄の違う地域ならどこでも問題ない。
東京都の北区に住んでいるターゲットなら、大田区にするなど。
なお、存在する住所にすることが大事
新築のアパートなど、誰も住んでいないアパートの住所が使用できればそのほうがよい。

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転出時に気をつける点としては、「国保資格の有無」という欄で、必ず国保資格ありに○をつけること。
転出証明書の受け取りの際に、国民健康保険証の返還を求められることもあるが、「今日は持ってきていないので、郵送でもいいか?」と答えておけばOK。

転入の際は、国保に加入するか聞かれるが、ここでは「社会保険に加入する」ことを伝えなければならない。というのは、基本的に保険証は即日交付はされず、新住所に郵送される。しかし新住所に送られても受け取れない。
ただし、ここに一つ例外があり、ほとんどの市区役所では、顔写真つきの身分証明書を持ってきた人に保険証の即日交付サービスを行なっている。

で、どうするかというと、顔写真つきの身分証明書の代表格である運転免許証を取得するのだ。

とは言っても、普通自動車免許証をとるには時間がかかりすぎる。
そう。もっとも簡単に取れる免許、原付免許をとるのだ。
原付免許は午前中に学科試験を受けて、その日の午後に免許証を受け取れるという流れになっている。

こうして免許証を取得できたら、それを持って市区役所に行けばめでたく国民健康保険証を手に入れることができる。

なお、保険証で受診したり、免許の更新をすることは避けるべきだ。
というのは、ターゲットが住民票を請求したり保険証を使ったりすれば、何かおかしいということはすぐにわかってしまう。ただ、誰がやったかはわからないというだけ。
だから、免許の期限が切れたら、また新しいターゲットを探して同じことを繰り返す。

また、住民票で決めた住所に縛られる必要はない。
数年間以上失踪しようと思うならば、現住所から300キロは離れた、地方都市に住むのがお勧め。
仮にそこで就職しようとして、住民票の住所と違うことを指摘されたとしても、引っ越したばかりで移してないと言えば問題ない。
なお、就職する場合は身上調査などするはずもない中小企業で、社会保険は完備されていない会社を選ぶ必要があることに注意。

就職するとなると、通常給与振込口座を作る必要がある。
身分証明書の住所と違う住所で口座を作ることが原則できないが、「事務所に使っていて、どうしても口座が必要」だと言えば、作れることが多い。

なお、クレジットカードは与信調査が入るので、作るべきではない。

「社長サンは脱獄囚」という本の中に「5キロほど離れた場所に、逃走用にもう一軒アパートを別人の名義で借りていた」という記述がある。もちろんこれは脱獄囚の話であって、通常の失踪ではそこまで必要ないだろいうが、執念を感じる。

この身分を偽る行為がどのような罪にあたるかというと、公正証書原本不実記載、私文書偽造・変造、偽造私文書行使である。
23年間他人になりすまし、有罪判決が出た事例では、懲役1年執行猶予3年、慰謝料70万円、裁判費用7万円の支払いを命じた。

美容整形は保険適用外なので、どんな偽名を使っても問題ない。

1970~80年代に、北朝鮮からのスパイと10年間同棲していた女性が話題になったことがあった。
そのスパイである朴は、山谷の労働者から戸籍を買っていた。
そのターゲットの選定方法というのが

・未婚者で、知人や親類が少ない
・前科がない
・銀行に口座を持っていない
・借金がない

の4つだったという。

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