レーシックの現状@週刊ダイヤモンド

『週刊ダイヤモンド 2013年3月16日号』
<特集>目にかかるカネとリスク

なかなかレーシック関連の特集をしている雑誌はないのでありがたい。

10年前のある日、テレビの特集番組で「レーシック」なる視力矯正手術があることを知った。早速テレビに出演していた医師が在籍する、みなとみらいアイクリニック(旧南青山アイクリニック横浜)を受診した。ここの料金は安値を売りにした他のクリニックの3倍。両目で約80万円もした。


現在は高くても両目で30万円程度、安いと10万円以下というところもあるから、この10年で身近になってきていることを強く感じる。

レーシック手術数は激減している。2008年の約45万件をピークに、12年は約20万件と半減した。減少要因は、若い層に安値で手術をしまくって需要を食い尽くした、08年のリーマンショックで目にカネをかけるマインドが冷え込んだ、など複数あるが、最大の要因はイメージの悪化にあるというのが業界関係者の共通認識だ。

アメリカの他、欧米では安全なものという認識が根付いているという。



2006年ごろから美容クリニックが参入して手術数は一気に増加。顧客獲得競争が激化し、彼らは術後の視力を競い合うようになった。その結果、視力2.0という遠くばかりが見える過矯正の人が増えた。過矯正をすると近くが見えにくくなり、ドライアイや頭痛の原因となる。術後フォローの不十分な医療機関がこうした患者をたらい回しにし、「レーシック難民」という不名誉な言葉が誕生した。

最近は、1.5程度に矯正するのが普通のよう。

品川近視クリニックは現在、「アベリーノ角膜変性症DNA検査」をレーシック手術希望者に勧めている。アベリーノ角膜変性症は角膜が混濁してしまう遺伝病で、レーシックを行うと病気の進行を促進する。それを理由に原則全員に事前に検査を行い、検査料1万円を取る。レーシック手術を行えば検査は無料になるが、キャンセルすれば、1万円は戻らない。結果的に、検査代が患者を逃がさないための手付金代わりになっている。

症例も多い代わりに、商業主義の権化として悪い評判も多い品川近視クリニック。実際はどうなんだろうか。

レーシック希望者たちが知りたいのは本当の危険性。しかし、日本には合併症発生率や失明率の正確な数字が存在しない。何しろ、国内手術数の過半を占める品川近視の協力なくして、正確な数字はつかめない。日本白内屈折矯正手術学会は、ようやく国内での合併症を把握する大規模な調査を行うことを決定し、準備に入った。学会関係者は「合併症は少ないので、調査結果を公開すれば安心な手術だと理解してもらえる」と期待する。

レーシック手術に保険がきかなかったりと、日本の医療は遅れている。ようやく動き出してくれたのかという印象。

雑誌の目次(目にかかわる特集部分のみ抜粋)としては以下の通り。

●近視・老眼市場に異変あり
・「レーシック」の手術数激減
・加齢に伴う屈折矯正の変遷

●もう老眼鏡はいらない
・白内障治療+老眼矯正で老眼も乱視も同時に矯正
・白内障手術後に打つ手あり
・多焦点レンズは手術のみ自費
・老眼矯正では左右の視力に差をつけ遠近両用対応

●レーシックに騙されない
・フェムト秒レーザーに分がある
・経営難で相次ぐレーシック撤退
・日常が崩壊したレーシック難民
・コンタクトレンズの1枚当たり原材料費は4~5円
・5990円のメガネが儲かる秘密
・「目」にまつわる8のギモン
・レーシック対応医療機関の選ぶにあたって10個のチェックポイント
・レーシック対応医療機関一覧

●失明リスクを回避する
・緑内障、糖尿病を軽んじない
・松井宏夫が選ぶ「目の名医」
・網膜再生で治す加齢黄斑変性
・失明した目に光を取り戻す人工網膜

「レーシック対応医療機関一覧」では、独自のアンケート調査により、全国66の医療機関の費用、対応手術、実績、サービス内容がリスト化されている。

こちらのレーシック対応医療機関のまとめサイトでは、病院東京だと御茶ノ水にある井上眼科レーシックセンターの評価が高い。