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30代で遺言状を書くということ

日経ビジネスオンラインの『30代での遺言状と61歳からの起業の関係』より。

キッザニア東京を運営するキッズシティジャパンの住谷栄之資社長が会社の研修の一環で、ある社外のセミナーに参加した時の話。

そのセミナーはとても不思議なセミナーで、研修が始まっても講師がほとんど何も喋らなかった。沈黙が続くうちに、研修参加者たちはこの事態はどういうことなのか不安になり、そわそわしてくる。

 
それでも講師はだまり続けている。だから研修生はともかく自分自身でこの事態をどうすればいいものか考えるようになる。そうした不思議な研修が続き、最期の仕上げは、自分の家族宛に遺言を書くというものだった。

30代後半で肉親に遺言を書く人は、どれくらいの人がいるだろうか。住谷氏も人生で初めて書いた遺言書だった。自分の妻宛に思いを書いているうちに、住谷氏は涙が止まらなくなった。まわりを見渡すと、同じく研修に参加している大の男たちも、わんわんと泣いている。端から見れば異様な光景だったかもしれない。

 
遺言を書いて涙が出てくるのは、自分が生きてきたと同時に、家族や社会によって生かされてきたことを知り、それまでよりも感謝の気持ちが強くなるからではないだろうか。同時に、その感謝の気持ちをどのようにして、家族や社会に還元できるかを考えるはず。これからの自分の生き方や人生設計を真剣に見つめ直すきっかけになる。

途中まで講師が黙っている理由が釈然としないが、遺言を書くというのは興味深い試み。