月別アーカイブ: 2008年12月

2008年の小説回顧

日経朝刊より。

1. 「宿屋めぐり」町田康著
シュールな奇想に満ちた時代小説は、神の絶対的な倫理を前に、弱い心を抱えてあがき続ける人間の挑戦と問いかけのドラマに変貌する。

2. 「決壊」平野啓一郎著

3. 「だいにっぽん、ろりりべしんでけ録」笙野頼子著
誰にも真似のできない語り口を究めた。

その他、文芸評論家の清水良典氏の印象に残った作品は以下。

「さよなら渓谷」「元職員」吉田修一著
「聖家族」古川日出男著
「東京島」桐野夏生著
「悼む人」天童荒太著
「ディスコ探偵水曜日」舞城王太郎著
「ダンシング・ヴァニティ」筒井康隆著
「未見坂」堀江敏幸著
「ラジ&ピース」「ばかもの」絲山秋子著
「かもめの日」黒川創著
「転身」蜂飼耳著
「ニートピア2010」中原昌也著
「ことば汁」小池昌代著
「ギンイロノウタ」村田沙耶香著
「地図男」真藤順丈著

エコノミストが選ぶお薦めの経済図書

日経朝刊より。

1. 「アダムスミス」堂目卓生著
市場は自由放任だけではうまく機能せず、人々の間に同感があって初めて社会の繁栄を促すことを明らかにした。市場の本質を改めて深く考えさせられる一冊。

2. 「現代の金融政策」白川方明著
体裁は教科書だが、理論と政策・現実の橋渡しを意識した点が高く評価された。

3. 「暴走する資本主義」ロバート・B・ライシュ著
資本主義と民主主義のバランスが崩れ、社会が「超資本主義」に向かい、市場が制御を失って暴走している様子を鮮やかに描いている。

4. 「比較経済発展論」斎藤修著
日本発の資本主義、産業論という新たな視点を切り開く書として評価が高い。

5. 「ケインズの闘い」ジル・ドスタレール著
英国伝統のポリティカルエコノミーを体現したケインズの業績を明らかにした。特にブレトンウッズ体制確立を巡り、米国代表のホワイトと論争を挑んだ最後の戦いの描写は迫力満点。

5. 「資本主義は嫌いですか」竹森俊平著
現在進行中の金融危機を分析。資本主義では高い経済成長を維持するために、バブルの発生と崩壊が繰り返されると指摘。資本主義は本来不安定だが、現代の私たちにはそれしか選択肢がなく、その弱点を認識することが肝要であると訴えている。