タグ別アーカイブ: 日経ビジネスオンライン

無自覚な価値観

日経ビジネスオンライン『なでしこ報道で露呈した“ニッポン”の未熟な女性観』より。

価値観には、自覚されているものと、自覚されていないものがある。自覚されている価値観とは、自らの経験を通じて形成されて、無自覚な価値観は、社会に既存の価値観であることが多い。

 
親の考え、子供の時によく見たテレビや雑誌に描かれていたこと、周りの人がよく言っていたこと。そういったものが、自分でも気がつかないうちに、あたかも自分の考えのように刻まれていく。

この考え方はよくわかる。

何気ない一言や、何気ない行動には、自分が自覚していない価値観が反映される。そして、その自覚なき価値観が、時に、“刃”となって、他人を傷つける。

ここで、ん?と思う。
無自覚な価値観で”傷つく”のは同じ価値観を持っているからではないだろうか。

無自覚な価値観が共有されていないのならば、”傷つく”のではなく”理解されない”のではないだろうか。

傷つけているのは、”無自覚”だからではなく、デリカシーがなかったり、想像力が欠如しているだけだと思う。まあ、その点が大きな問題なんだろうけど。

成功体験を聞きたがる日本人

日経ビジネスオンラインで好きなコラムニスト、フェルディナント・ヤマグチ氏の『なんとカルロス・ゴーン氏がマネジメントの極意をF氏に語る』より。

カルロス・ゴーンの話の中で、へ~と思ったのは経営そのものの話ではなく以下の部分。

(日本のビジネスパーソンは)他の人の成功に非常に興味を持っているんですね。どうしてそれがうまくいったのかと聞いてくるんです。他の国でそんなことは聞くことは余りありません。ええ、聞かないですね。一部のCEOは、他社の成功なんかにまったく関心がありません。

 
ですが日本は違います。日本人はどうやって成功したのかと聞いてくる。非常に好奇心が旺盛です。

ゴーンもF氏もわかってて書かない(言わない)のだろうが、これは好奇心が旺盛だからじゃなく、自分でオリジナルな成功方法を作り出そうとしない、文化的背景によるものだろう。

自ら落ちない限り変わらないテレビ業界

日経ビジネスオンラインで愛読している小田嶋隆氏のコラム『なでしこに群がったテレビの人たちの明日』より

結局、「笑い」も「涙」も、伝染性の動作という意味では「あくび」と大差がない、と、少なくともディレクターはそう考えている。

 
ゴールデンの視聴者が笑うのは「ほかの誰かが笑っている」からだ。泣く理由も同じ。8割はもらい泣きだ。笑い、涙、元気、勇気。視聴者は、画面からもらうことばかり考えている。

 
感情の物乞い。うん。言い過ぎた。撤回する。善良な観客。

無意識に”もらうことばかり”しているのは確か。
ただ、正当な権利があるからね。

私が書いているようなことは、実は、現場で番組を作っている人々にとっては、口に出すのも馬鹿くさいレベルの、先刻承知の退廃であって、少しも目新しい指摘ではないのだと思う。

 
彼らとて、事態がわかっていないわけではない。
でも、どうしようもないのだ。
何かを変えるためには、自分が座っている木の枝を切り落とすみたいなタイプの決断が要る。

テレビ業界を変えるためには、自らも落ちないといけないってこと。

消費者の一歩先を行くモノ作りが求められている

日経ビジネスオンライン『「消費者の声を聞く」というモノ作りのウソ』より。

消費者の声ばかり聞いていては、その時点での消費者が欲するモノしかできない。仮に消費者のニーズを知っても、そのニーズを商品の形にするには、 かなりの時間を要する。

 
商品が完成して市場に出回るころには、消費者のニーズは先に進んで変化してしまって、その商品はもう欲しくはない。つまり、消費者が欲しいといった時点でのニーズは、過去のニーズにすぎない。消費者の言うことをうのみにしてモノを作っても、消費者と同じレベルでは振り向いてはくれない。

 
大事なのは、消費者の一歩先を行くモノ作り。

ネットサービスの場合、形にするまでの時間が短いから、リアルなモノ作りとは時間感覚が少しズレるだろうが、基本的な考えは同じのはず。

スイス銀行に口座を作るには

日経ビジネスオンライン『「ギャラは俺のスイス口座に」と言うために必要な覚悟』より。

岡康道氏と小田嶋隆氏のやりとり。これがなかなか面白い。

岡 (スイス銀行)に日本から1500万円を預けたい、と言って申し込んだ友達がいる。そうすると、まず世界経済について意見を交わすような、すごい面接試験があるそうで、口座を持つことが、そもそもとても難しいということなんだよ。それで銀行側に金額を伝えたら、その少なさに驚愕されたという。

 
小田嶋 お客なのに試験があるのか。

 
岡 資産を実際に使うのが10年後なのか、30年後なのか、100年後なのかによって、運用の仕方が変わってくるということで、でも1500万円だと議論の余地がないんじゃないの、あまりにも小さくて。

 
小田嶋 スイスに口座が欲しかったんだね。

 
岡 それで口座は取れたんだけど、取れたらもう本名では呼ばないで、全部、暗号名になるんだって。

 
小田嶋 『ルパン三世』の世界じゃん、それ(笑)。

 
岡 暗号名とかは予想していなかったから、ちょっと逆上しちゃって、「スキヤキ」って言っちゃったんだって。「スキヤキ」でもいいですけど、日本人だってバレますよ、と言われたそうだけど、そいつは「スキヤキ」という暗号名になった。

 
岡 で、帰るときに駐車場を見たら、並んでいるのはフェラーリばっかり。しかもそれ、顧客用の駐車場じゃなくて従業員用の方だった、と。

 
小田嶋 なるほど、貴族のお仕事だと。

 
岡 まあ、そんなところの従業員って、そもそも当人の身元が相当ちゃんとしてないと危ないからな。

いろいろ凝っているわりに、1500万円を預けるためだけに口座を作れてしまうってのが拍子抜けではある。

でも面白い。